のぼせ、シンプルに考える
世の中は、複雑に考えたり表現するのが好きらしい。
シンプルに考えるのが、僕は好きだ♪
のぼせ、単に脳が温かいだけと考えるとわかりやすい。
十何年か前に奥三河での治療で理解したことです。極寒の真冬、部屋の中でストーブをつけても、わかるだろうか、体験すればわかるが、ストーブの前だけしか温かくない。
部屋の温度は3℃~5℃、とても寒い(冷蔵庫の中では冷蔵チルドくらい)。街育ちの僕はダウンジャケットを着てなんとか上半身は間に合う。足はズボン下をはいていても、冷えた畳がしみじみと冷たい。つらい。
その環境下で、お客様は「ちょうどよい」と言う。
奥三河の豊根村という極端に寒い地域にいながら、ぽかぽかに温めた部屋に入ると気持ちが悪くなって具合が悪くなるそうです。
今はきちんと布団を引いてもらい、電気毛布で温めながら治療をしていますが、当時は座布団を並べ、その上に寝てもらい、毛布をかけて治療するのでいいと言われそうしていました。
治療中、お客様に「寒くないですか?」と聞いても「ちょうどよい」と言われる。体は冷えていても。お客様の体は冷えて固まっていました。
こんな状況下では僕はかなり寒い。体の過去に痛めた肩や足が痛くなります。
全身の治療の後、お客様のお腹をみるとかんかんになっていた。だから、「お腹が固く気になるので、弛めますね。」と手をかくてやわらかくなるようにした。
トータル1時間の治療後、いい感じに治療したので、起きてもらうと、「寒い」と言われた。
僕はこの時から、循環器系の理解ができるようになったんだ。
普通、治療をするとリラックスをして体温は下がり気味になるものだ。
「そうですよね。お腹がかんかんで心臓からの血液が腕や首、頭に流れる量が増えていたようです。脳が温かいと、首から下の感覚を度外視して、暑い熱いとなる、これがのぼせですね。」
もともと部屋が極端に冷えていたから、全身を整えて、お腹をゆるめたので、脳の感覚は正常に働くようになったと考ます。
僕には、このときまで、のぼせ、更年期障害はホルモンのせいで、ホルモンなら手の出しようがないと思っていました。
だから、ホルモンだけの問題じゃないなら、空間の問題、体の温度が課題なら、これなら手の出しようがある、って思ったのです。
(この時から理解したこと)
・脳が温かいと、脳は脳のことを最優先して冷やそうとする。
(僕はこれを勝手に、熱中症注意報発令状態と呼ぶ。 その結果、体の状態を無視、もしくは体の感覚が鈍感になる。 脳が温かいと、体がどんなに冷えていても、もっと体を冷やしたくなる。 結果、もっと体調が悪くなる。)
・循環器系、お腹のへそより上あたり(上腹部)と肋骨の下部で固まった状態にあると、心臓から送られてきた血液がスムースに通らなくなり、結果、心臓と上腹部の間で血圧が上がり、腕や首、頭への血圧および血液の量が増える。
(腕の血圧が高い場合、上腹部を緩めるといい。もちろん、肩関節周り、首周りを緩めることは大切。)
・心臓は上腹部で血流の流れが阻害されると、心臓の拍動で充分に血液を送り出しにくくなり、結果、心臓に血液が滞留するような状態になるかもしれないと考えられる。不整脈の原因の一つかもしれないと考える。
・人の体を、空間で感じる感覚に、骨格系、筋肉系、神経系のみではなく、この時から循環器系を含めて感じるようになりました。空間を意識すると、人の体の調和や不調和が見えるようになります。